バッテリー再生について  わたしたちNPOの考え方

 

バッテリー再生と聞くと何か特殊な技術を使って難しいことをするように思うかもしれません。

しかし、わたしたちのバッテリー再生についての考えは、とてもシンプルです。

以下の3つの項目に集約されます。

 

 

① 使えるものは、まだ使う

 

停電などに備える非常用バッテリーは、高信頼性を求められます。

いざというときにバッテリーが働かなかったら大変な損失が発生するからです。

そこで、非常用蓄電池設備のバッテリーは交換期限が定められています。

交換期限が来れば、高信頼性を担保するためにきちんと交換をするわけです。

そのようなバッテリーは、交換して使用済みとなっても壊れているわけではありません。

わたくしたちは、このようなバッテリーを再活用しています。

もちろん、高信頼性を求められる用途に再使用することはおすすめしていません。

 

要するに、そこそこ良いバッテリーを選び、ダウンシフトして使っているわけです。

 

*以上のことから、自動車用バッテリーやディープサイクル用途で使われたバッテリーは、

基本的には再使用の対象とはしていません。

 

 

② 少しリフレッシュする

 

長期間非常用として使われてきたバッテリーは疲労しているので、リフレッシュさせてあげます。

これをわたしたちは再生と呼んでいます。

しかし、高価な再生装置を使用したり、高いバッテリー添加剤は基本的には使用しません。

再生バッテリーの価値は経済性です。

・高価な再生装置はイニシャルコストがかかります。

・高いバッテリー添加剤はランニングコストがかかります。

 

では、どのような再生処理をするか。以下の2つのことをしています。

 

a)一度放電をさせたのちに充電をして極板をリフレッシュさせる。

 非常用電源のバッテリーは浮動充電電圧が常にかかった状態で何年も過ごします。

 一度放電をして再度充電をすれば極板はきれいになります。

 場合によっては、何度か繰り返します。

 

b)高周波パルス電流をかける

 電池反応は化学反応ですのでかならず反応のムラができます。

 このムラが結晶化したものをサルフェーションと呼んでいます。

 サルフェーションは普通の充電放電だけでは取れませんので、パルスをかけるのです。

 非常用電源では通常充放電を繰り返しませんので、サルフェーションは出来ないと思われがちですが、

 そんなことはなく、量的には少ないですが、電池反応が化学反応である限り発生し、

 それを除去したほうが、電池の新たな用途であるサイクル使用に対して有利になります。

 

 

③ 長く使えるようにする

 

 

再生したバッテリーは、ほとんどがメーカーの推奨使用期限を超えています。

コストパフォーマンス的には、あまり長期間もたなくても問題はないのかもしれません。

しかし、せっかく設置したバッテリーは少しでも長く使いたいものです。

そこで、以下の2つのことを推奨しています。

 

a)パルス装置を電池に取り付ける

 再生処理でも活用しているパルスは、延命装置として電池取り付け型のものが商品化しています。

 どれを付けても、余程悪質な商品でない限り、そこそこ延命効果はあります。

 わたくしたちのパルス装置は非営利で再生バッテリーを使うひとに限定してお分けしているので、

 価格は安いと思います。

 

b)電池の容量に余裕をもった使い方をする

 バッテリーは深い放電と過充電で傷みます。

 バッテリー容量をギリギリで設計すると、ついつい過放電・過充電になりがちです。

 わたしたちのバッテリーなら安価なので余裕をもった設置ができます。

 

 

以上の3項目が、私たちの再生リユースバッテリーです。

 

 

☆バッテリーの劣化には、化学的な劣化と物理的な劣化があります。

蓄電池の劣化は、ほとんどが物理的劣化です。

一番多い劣化要因は正極版の腐食(グロース)による、湾曲・伸びです。

 

☆なお化学的劣化(サルフェーション)については、性能の回復は可能です。

 

☆通常非常用電源(UPS)に使用されているバッテリーは、

使用されている温度環境が最適で、使用年限内であれば、

物理的劣化および化学的劣化は少なく、ほとんどが再使用可能です。

 

☆サイクルユース(充放電を頻繁におこなう使い方)されたバッテリーは、

物理的劣化および化学的劣化の度合いが大きく、再使用に適しません。

当NPOよりお買い上げいただいたバッテリーでサイクルユースされたものも同様です。

ですので、一度再生リユース処理したものは、再び処理することは原則ございません。

 

 

 

以上について、ご理解お願いいたします。